建築出身の木工家が造る外部屋根

ヘアカットでいつもお世話になっているbarbarちょび様(床屋さん)から、

「外の洗濯機置き場に屋根が無くて、雨の日とか傘さしながらやってるんですけど、屋根って作れませんか?」

とお話しいただきスタートしました

確かに傘さしながらは大変ですよね・・・雪とかも積もるし・・・

考えてみます  ということで考えたイメージスケッチがこちら

下手なのはご勘弁ください。

このようなイメージから、もう少し検討し

屋根の勾配方向や雨の横降りなども加味して図面を書き、見積もりを行い

製作を開始しました

材料は総ヒノキです(節ありですが)

 

余談ですが、最近の建築材料の値上がりが大きく、どうしてもお客さんの負担が大きくなってしまいます。(-"-)

ですが、山を管理する山師の方や材料にするまでに関わる方まで適正に分配できる金額であるべきだとも思っております。

安めの輸入材にシェアを取られた結果、資金不足や人手不足で森林資源はあるのに管理がなかなか進まなくなってしまって、

いざ必要になった時に手に入らない状況になったり、最終的に価格自体が上がったりと、いろんなツケがいま回ってきたんだろうなぁと思います。

ただ、将来的にこれまでより高値でも、適正価格を一般に理解されたうえで買われて、適正に分配されて日本の中で木を育てて切って使うというサイクルがキチンと回れば良いなぁと思うのですが・・・

これはあくまで個人的な考えです。輸入材が悪いとか、安いものが悪いとは一切思いません。いろんな理由や原因があるのだと思いますし、自分自身もなるべくなら安くできる方法を考えてしまいます。輸入材にしてもブラックウォールナット材とか、アメリカンチェリー材とかとっても良いですよね。その他も良い外国産材はたくさんあります。国産材と輸入材とでうまくバランスが取れれば良いのに

しかしながら、いろんな物が値上がりなどで負担が大きくなるのはやはり辛いところです。追い討ちのようにさらに増税の話も出ています。

今後、日本経済は良くなっていくのでしょうか?そんな未来は今のところ、まったく想像できません。

頑張れ、オレ( *`ω´)

 

まぁそれはそれとして

そんな中、お仕事をご依頼くださるお客様に喜んで頂きたいので、やることをやっていきます。

材料を加工しています

写真のように墨付け(加工するためのしるし)して、

丸のこやドリル、機械加工出来ない部分は手ノコでギコギコ、鑿でガツガツ材料を刻みます

材料加工で生じたキズやへこみを手鉋で綺麗にして塗装します。

防腐防虫防カビの着色含侵性撥水塗料を使用しました。色は風景全体として馴染むように隣家の塀と同系色にしました。

2回塗りです。

木材は木口(丸太状態でいう年輪がある面)から多く水を吸ってしまいますので、雨がかかり易い柱の脚元はもちろん、念のためホゾの胴付き部分など見えなくなる部分の木口にも塗装しました。設置した後での塗装ではどうしてもこういった部分は塗装出来ないので、材料加工→塗装→現場設置で一貫して行う場合の利点だと思います。

塗装が乾いたら現場設置です。

さて現場です。快晴です。日頃の行いが出たのでしょうか(´_ゝ`)

まずは軽い土方作業です。束石を据えるために地面を掘って・・・

雨水配管にHIT!予想より浅いところでした。

最後掘った周りをモルタルで固めるつもりでしたが、浅すぎて断念しました。

それより深い所に据えれないので、そこの高さを基準にレーザーで他の束石の高さを確認しながら、

レベルで水平を確認して据えていきます。

次に躯体を組んでいきます。

柱を束石の上に立てて、梁を入れてある程度の形にしたところで、柱の位置や垂直を確認して直してホゾ差しの部分に込み栓を打ちます。

あまり大きくは無いのですが、一人作業では少々もがきますね。なんとか材料を落とすなどの大惨事が無かったので良かったです。

柱脚部分には束石上部に流れた雨水が直接木部につかないようにパッキンを噛ましてあります。

ここで午前中終了

午後です

一人だとなかなか手が離せない状況で写真が無いですが、

頬杖(柱と梁と繋ぐ斜め材)を入れてボルトで締め付け用意したボルトが長く少し出てしまった・・・(;一_一)

屋根を作るための垂木と、屋根材を受けるための横桟を取り付け、ポリカ波板を張ります

横雨除け用の木製横ルーバーを釘留め

人感センサー付きスポットライトを取り付けて

束石周りを埋め戻したら・・・

完成!

なんとか一日で完了できて良かったです。

塗装の色もなかなか良い感じではないでしょうか?

 

だいぶ長くなりましたが、

柱を立てて屋根を組んでというだけですが、書ききれない部分でも結構いろんなことを考えたり、作業したりして完成させています。

そのことをいろんな方に少しでも知って頂けたら嬉しいです。

 

木工アトリエ Fukurow

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